業務内容

騒音評価業務

航空機の飛行や演習場での砲撃に伴う騒音の発生状況を把握するための実態調査や予測計算を行うことにより,年間を代表する騒音評価を行います。航空機については,Lden,WECPNL,砲撃音については,LCdenによる評価を行います。

評価計算では,騒音の発生位置(飛行(移動)経路,音源位置)と算出点の関係と伝搬距離と騒音レベルの関係を示すデータを用いて騒音レベルを算出し,年間を代表する騒音の発生回数により,年間を代表する評価値を算出します。実態調査においては,現地調査を行い,騒音の発生状況(単発騒音暴露レベルLAE,騒音レベルLASmaxなどの測定)や飛行経路について確認し,評価計算の精度を確保しています。

騒音評価に必要なデータと処理の流れ

騒音評価に必要なデータと処理の流れ

騒音コンター図サンプル

騒音コンター図サンプル

長期測定による実態確認

航空機騒音,砲撃音の実態を把握するための測定として,自動測定器を用いた長期間測定を行っています。長期間測定は,自主開発した測定器等により測定します。航空機,砲撃のいずれの騒音観測についても,細かな分析を行うためのオプションとして,24bitでの長時間連続の録音を行い,周波数分析などの解析を行うことも可能です。また,同機材の貸し出しも行っています。

大型ウィンドスクリーンと気象センサー

大型ウィンドスクリーン※と気象センサー

※ “低周波騒音計測用防風スクリーンの開発” , 騒音制御, Vol.30, No.5,pp. 408-417 (2006).

航空機騒音の時間変動(LAS)

航空機騒音の時間変動(LAS)

戦闘機上空通過時のソノグラム

戦闘機上空通過時のソノグラム

砲撃音のLCeq,100msの時間変動

砲撃音のLCeq,100msの時間変動

航空機騒音や砲撃音の長期観測定に関するプランニング(適地調査,機器構成等)・観測データの分析を行っています。一年間など長期間の騒音を対象に無人での自動騒音測定を実施しています。測定器に通信機能を持たせた遠隔地からのデータチェックも可能です。砲撃音は主要周波数成分が非常に低い,衝撃性が強い,極めて短い事象の音である,といった特徴を有するため,当協会が独自に開発した測定器による測定を実施しております。

騒音伝搬シミュレーション

騒音の伝わり方について,気象や地形の影響を考慮した伝搬性状を把握するため,シミュレーションを行っています。

航空機飛行時の騒音分布変化のシミュレーション

株式会社ダイム技術サービスの協力により作成)

砲撃音伝搬の地表面影響を考慮した伝搬シミュレーション

砲撃音伝搬の地表面影響を考慮した伝搬シミュレーション

 

防音工法の検討

防衛省では,防衛施設(飛行場,演習場)周辺において,航空機騒音,砲撃音等による障害が著しいとして指定した区域内に所在する住宅について,その所有者等が行う防音工事に対して助成を行っています。また,市町村等が行う防衛施設周辺の学校,保育所等の教育関係施設,病院,診療所等の医療関係施設の航空機騒音対策,砲撃音対策の防音工事に対しても防衛省が助成を行っています。

調査研究室では,これらの防音工事の標準的な工法について検討するため,学識経験者を中心とする検討委員会を設置・運営し,建築材料の実験室実験,工法案による試験工事,検討会議等を実施しながら工事仕様の策定等を行っています。検討結果は,防衛省の防音事業工事標準仕方書等に反映されてきました。

 

住宅防音工法の検討

住宅防音工法の検討

試験工事の例(木造幼稚園)

試験工事の例(木造幼稚園)

 

防音量調査

防音工事を実施した住宅等が、区域ごとに設定された計画防音量を満足しているかどうかを確認するため、施工後または施工前後に工事対象室の内外音圧レベル差の測定調査を行っています。

測定方法は、試験音(スピーカ音)による測定、実騒音(航空機の飛行音)による測定等があり、調査結果は、標準的な工法の見直し等にも反映しています。

 

屋外音圧レベルの測定

屋外音圧レベルの測定

試験工事の例(木造幼稚園)

室内音圧レベルの測定

 

防音量調査の例

騒音に関する社会調査

騒音に関する社会調査を実施しています。対象地域やサンプル数および調査手法などのデザイン,アンケート用紙の作成および配布,結果の統計解析までを担当いたします。騒音に対する社会反応と騒音の物理特性および社会変数との関係性についての分析,GISを利用した社会反応の面的評価などが可能です。また,自由回答やインタビュー形式のデータによるテキストデータマイニングも実施しております。

 

試験工事の例(木造幼稚園)

 

 

音響心理実験

実験室内で音刺激を被験者に提示し,その心理反応を調査する音響心理実験を実施しています。実験計画,音刺激の作成,実験実施,実験結果の統計解析などをトータルデザインします。主にSD法やME法に基づく官能評価などの研究実績があります。

 

低周波音の測定

当協会では、さまざまな騒音に対して、状況に適した方法で低周波音の測定を行い、周波数分析を行っています。低周波音の測定には低周波音帯域(1~100Hz)が測定可能な低周波音レベル計などを使用します。

 

 

低周波音測定機能付精密騒音計(NL-62)
(写真の出典:航空自衛隊、海上自衛隊及び陸上自衛隊HP)

低周波音とは

低周波音とは、音の周波数の中で1~100Hzの音であり、その中でも1~20Hzの音を超低周波音と言います。人が聞くことが出来る可聴周波数範囲が20~20,000Hzと言われいますが、レベルが大きければ20Hz以下でも聞こえる事があります。

低周波音の影響は

低周波音の影響は、人への影響として「不快感や圧迫感等」、建物への影響として「建具等のがたつき等」があります。それらの影響を把握するには、周波数分析が必要であり、100Hz以上の可聴周波数範囲も含めた測定が必要な場合があります。

低周波音の影響についての参照値として、環境省が示している「低周波音による物的苦情に関する参照値」と「低周波音による心身に係る苦情に関する参照値」の2つがあります。 これらの参照値は固定音源において、変動の小さい低周波音を対象とし、低周波音による苦情等なのかを判断するための目安として示したものです。よって、建物や個人差により、参照値以下でも苦情が発生したり、参照値以上でも苦情が発生しない場合があります。

 

手引書・事例集・マニュアル等(環境省のホームページ)

「低周波音の測定方法に関するマニュアル」
「低周波音防止対策事例集」
「低周波音問題対応の手引書」
「低周波音対応事例集」

http://www.env.go.jp/air/teishuha/index.html